2回に分けてお届けしている「えくぼファーム」久保竜也さんへのインタビュー。前編では大阪から霧島市への移住を決めたいきさつなどをおうかがいしました。後編では、久保さんの移住後の実際の暮らしや今後の展望について語っていただきました。
プロフィール
久保竜也
生まれ育った大阪で営業職のサラリーマンとして働く。
結婚後、2011年に起こった東日本大震災をきっかけに移住を決意。
2013年に霧島市へ移住。少量多品目栽培の有機農業を営む。
とにかく方言がわからなかった!
――移住後、どのように地域の方と交流していったのでしょうか。
家を購入した当時、自治会への挨拶も行わず……というか自治会の存在も知らないままに家を購入してしまい、また県外から来た人間ということもあり、地域の方々には少し不審がられてたのではないかと思います(笑)。
その後、自治会に入って挨拶をして、地域のみなさんに受け入れてもらえました。
こちらの地域では、私よりも世代が上の農家の方が多いので、その方々が歩んできた歴史についてのお話をうかがうなどしてコミュニケーションを図っています。
戦前・戦中の話も多くて、歴史の教科書に載っていた出来事をリアルに聞けるというのはすごく面白いですね。
――移住してから大変だと感じたことはありますか。
言葉ですね。大阪と鹿児島では、方言がまったく違うので(笑)。
一番困ったことは、文脈が読めないことです。言われたことが疑問文なのか肯定文なのかわからないんです。その結果、無視してると思われてしまい、コミュニケーションがうまくとれないこともありました。
方言にもだいぶ慣れましたけれど、今でも時々理解できずに話が行き違うことがあります。
鹿児島の方言は、とくに年齢が上の方ほど理解が難しくて、お酒の席で酔いが回った状態だとなおさらわからなくなります。
頭の中で鹿児島弁を自分でわかる言葉として処理するのが大変ですが、それも移住の楽しみの一つかなと思っています。
移住するだけでなくこの地で何をするかが大切
――今後、霧島市でどのように暮らしていきたいと考えていますか。
暮らしというか農業の話になるのですが、農業全体でこれからも担い手が減少し続けるのは明らかです。それに伴い、使われない圃場も増えていくでしょう。
今後そういった場所を自分たちでしっかりと担えるように、経営の規模を拡大できるよう準備しておきたいと考えています。私たちがこの地に根付いて、農業を続けて、ここが生産性のある場所であり続けるようにしたいですね。
――最後に、霧島市への移住を考えている方にメッセージをお願いします。
霧島市はさまざまな面があります。自然が豊かでおいしいものがたくさんあるなど表面的な部分だけでなく、掘り出せばいいものがすごくたくさん見つかる場所です。
発展している場所もあれば田舎もあって、その距離が30分圏内でおさまるんですよね。自分たちがいる横川町は空港も高速道路も近く、交通の利便性もよい地域です。
また単に移住するだけではなく、「この地で何をするのか」が大切だと個人的には思います。とくに新たに農業をはじめたくて移住される方には、農家として成功してほしい気持ちがあります。同じ農業者として、この地で一緒に頑張っていける仲間になれたら最高ですね。
お話をうかがって
久保さんに霧島や鹿児島のいいところをうかがうと、想いをとどめる術がないかのごとく言葉があふれ、本当にこの地を愛しているのが伝わってきました。
また、久保さんの言葉の端々に鹿児島弁が混ざっており、地域に溶け込んでいる証のようにも思えました。栽培している有機野菜は県内外に出荷され、高い評価を得ているそうです。今後のご活躍も楽しみです。
株式会社ekubofarm
住所:鹿児島県霧島市横川町中ノ3835
電話:090-5057-1019
メールアドレス:ekubofarm@gmail.com
投稿者プロフィール
- 宮崎県在住フリーライター。妊娠出産後、女性として生きていくことや働くことの大変さを知り、悩んでいる方々の力になりたいと感じています。霧島山の麓という恵まれた環境にある地元のすばらしさをもっと知り、発信できるようになりたい。
・ホームページ作成……お客様のご予算とご要望に応えます
・SNS運用……facebookやTwitter等
・ブログの作成・運用……代筆いたします