豊かな自然や温泉、食文化などに惹かれ、近年移住者が増加傾向にある霧島市。杉川さんご夫婦は福岡から霧島市へ家族でUターン移住し、古民家を改築した「霧島のお茶とよかもん(いいもの)」を伝えていくお店、「きりん商店」を経営されています。 今回は、ご主人の明寛さんに、霧島市への移住にまつわるお話をうかがいしました。
プロフィール 杉川明寛 鹿児島県出水市出身。 福岡市でグラフィックデザイナーとして活躍しながら、子育てをきっかけに霧島市へのUターン移住を決意。 2014年霧島の特産品や雑貨が数多く並ぶ「きりん商店」をオープン。
子どもが生まれて、これまでの生活に違和感を覚えた
――なぜ霧島に移住しようと考えられたのですか。
移住はもともと、妻の希望でした。福岡での生活に不満があったわけではないんです。しかし子どもが生まれて子育てを始めたら、『なかなか安全に遊ばせられる環境がない』ことに気が付いて、ストレスを感じていたようで。福岡では、週末の度に水遊びや土遊びができる場所を探しては出かけていたんですが、ある日妻から『実家のある霧島に帰りたい』という話をされました。
その頃、僕はかねてから行っていたグラフィックデザインの仕事での独立開業を考えていました。独立であれば地域に関係なく働けることは確かです。ところがグラフィックデザインという仕事は、福岡の方が働きやすいんですよね。これまでに得た人脈も活かせますし。
それが霧島へ移住・起業となると、極端な話ですが、“これまでに築き上げたものを一旦全部捨ててしまうことになる”と感じました。
――移住へ前向きな妻の真弓さんと、二の足を踏んでいた明寛さんの思いが一致したきっかけは何だったのでしょうか。
移住の話が持ち上がった当時、霧島に移住するほかにも、夫婦間で将来のプランをいくつか考えていました。「こうしたらいいのでは」「ああしたらいいのでは」と夫婦で話し合いを重ねていきました。そんな折、あるイベントの打ち上げにて仲間のクリエイターたちにこの話をしたら、霧島への移住プランの話で異様に盛り上がってしまって(笑)。それから「移住って魅力的なことなのかもしれない」と思うようになりました。
加えて、都会での仕事に僕自身がストレスを感じることも増えて、「霧島でゆっくりするのもいいかもしれない」と思うようになっていきました。そのことを妻に伝えると、かねてから移住したかった妻は「よしきた!」という感じで(笑)。そこからはトントン拍子に霧島への移住が決まりました。
引っ越し感覚で霧島へやってきた
――移住の際の霧島市のサポート体制はどうでしたか。
僕たちの場合は、移住という意識があまりなかったんですよね。ここには妻の実家もあるので、単なる引っ越しのような感覚でした。今は霧島市への移住者向けの情報が市から広く発信されるようになって、移住を考えている人にとってとても便利になったのではと思います。
――移住の際、住居はどのように探しましたか。
妻の実家の一部を間借りしながら、自分たちで空いている家を探しました。ところがなかなかよい物件が見つからず苦労しました。考えていた予算よりも家賃が高かったり、いい物件を見つけても、持ち主の方に『貸せるような状態じゃない』と断られてしまったり。最終的には一度断られたところを、知り合いになった地元の方が交渉してくださって借りられるようになりました 。
お店は推定140年以上は経っているという古民家をリノベーションしました。武家屋敷として使われていたようで骨組みがしっかりしており、今でもしっかりと店舗を支えてくれています。
後編でもさらにお話をうかがいます!
福岡での都会暮らしから一転、霧島市へのUターン移住を決めた杉川さんご夫妻。後編では、実際に移住した後の暮らしや今後についておうかがいします。
きりん商店 住所:鹿児島県霧島市牧園町宿窪田1424-2 電話:0995-76-1355 営業時間:10時〜17時 定休日:火曜日(水・木は不定休)
投稿者プロフィール
- 宮崎県在住フリーライター。妊娠出産後、女性として生きていくことや働くことの大変さを知り、悩んでいる方々の力になりたいと感じています。霧島山の麓という恵まれた環境にある地元のすばらしさをもっと知り、発信できるようになりたい。
・ホームページ作成……お客様のご予算とご要望に応えます
・SNS運用……facebookやTwitter等
・ブログの作成・運用……代筆いたします