沖縄でお酒といえば泡盛。若者の酒離れは沖縄でも進んでおり、「泡盛は好きじゃない」「もっぱらビール」などという声も聞かれます。
一方で、小規模生産者によるクラフトジンは世界的に流行中。日本でもクラフトジン造りに取り組む生産者が出てくる中、「ベーススピリッツに泡盛、風味付けに沖縄ゆかりのハーブやスパイスを使えば、魅力的なクラフトジンが作れるのでは」と沖縄県の泡盛メーカー「石川酒造場」が、ユニークなクラフトジンを完成させました。
シンプルな瓶に、造り手の思いがぎゅぎゅっと詰まった「ネイビー ストレングス クラフトジン」です。
石川酒造場は本物志向の酒造場で、沖縄では唯一、すべての泡盛を甕(かめ)で仕込んでいます。ジン造りについても真剣そのもの。2019年は年間500本・月産50本という少量生産を想定して、3月から生産をはじめ、好調な売れ行きを見せているそうです。
ジンの定義は、「ジュニパーベリーを主とした原料で香り付けをした、アルコール度数37.5度以上あるもの」。これを守ればベースも香りも、さまざまなアレンジが可能。香り付けには、「ボタニカル」(ハーブやスパイス、果物の皮や木の皮など)が使われます。石川酒造場では、できる範囲で沖縄県産の素材により香り付けをしています。
ジンに欠かせないジュニパーベリーは、まだ県産も国産も流通していないので輸入品ですが、「ネイビー ストレングス クラフトジン」には、沖縄の植物のエッセンスが詰め込まれています。
まず、「カラキ」という、沖縄在来のシナモンの仲間。葉を乾燥させたものを使っています。
それから、「カーブチー」。沖縄在来の柑橘ですが、良く知られるシークワサーと違った独特の香りがあります。これは実の写真で、果皮を原料として使用します。
そのほか、沖縄産のタンカンの皮、ピパーチ(ヒハツモドキという胡椒の仲間で、八重山地方の特産)、コリアンダーシード、フェンネル、ジンジャー、山椒の計9種類をふんだんに使用しています。まず、
これらを原料とする蒸留酒をそれぞれ作ってから、ブレンドを行うという手の込みぶりにも脱帽です。ベースとなるスピリッツは、泡盛を再度蒸留して、「2回蒸留泡盛」にすることで、泡盛特有の香りを低減させて、泡盛の原料である米の風味、柑橘やハーブの香りがクリアに感じられるのです。
さて、こんなぜいたくな1本、どのようにいただきましょうか?
ロックでいただこうかと、水を加えると白く濁った!
これは、高いアルコールに溶けこんでいた原料由来のオイルが、加えた水に混ざって白く濁って見える性質によるものです。見た目はキレイですが、アルコール度数が高すぎるのでカクテルがよさそう。石川酒造場のクラフトジンは、なんとアルコール度数57度!
強めの炭酸水を加え、くし形切りにしたライムを添えるとフレッシュな香りが引き立つ1杯に。ジントニックでいただいても、トニックウォーターに負けない多様な香りを感じられました。さらに、オレンジジュースを加え、ソーダアップし、オレンジの輪切りを添えると、南国沖縄らしいカクテルの誕生。
どんな割り方をしても、独特のスパイシー&フルティーな風味が感じられて、なんておもしろいお酒。ほんの少量でも気持ちいいほろ酔いになれるのもいいですね。
(DATA)
石川酒造場
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