[山口県]お酒に関心を持たなかった山縣直哉さんが、周南市でBARを経営する理由とは？

山口県周南市の中心部にある、名門BAR「KEYSTONE（キーストン）」。本日の主役、山縣（やまがた）直哉さんは、KEYSTONEのオーナーバーテンダーとして、お客様にカクテルを振る舞っています。山縣さんの人柄とその腕に惚れたお客様のなかには、県外からわざわざ足を運ぶ人もいるのだとか。

いまでは一流バーテンダーとして活躍している山縣さんですが、元々はお酒に関心を持っていなかったのだそう。そんな山縣さんが、なぜ周南市でBARを経営しているのか、その理由を伺いました。

山縣さんがBARの経営に興味を持った理由
周南市を何とかしたい気持ちが強い
おわりに

山縣さんがBARの経営に興味を持った理由

――お酒を飲まなかった山縣さんがバーテンダーに興味を持ったきっかけについて教えてください。

山縣さん：複数の小売店や飲食店でアルバイトし生計を立てていました。アルバイト時代は、飲み物全般に対して興味はなかったです。”コンビニや自動販売機で買えればいいや”程度に思っていました。

飲み物に対する意識が変わったのは、地元のコーヒー店で働くようになったのがきっかけです。このお店では、オーナーが海外のコーヒーを実際に農場へ視察して納得できる豆しか使わない、というポリシーがあったんですね。

クオリティにこだわって、そのこだわりに感銘を受けて、私の飲み物に対する価値観も大きく変わりました。

コーヒー店を退職したあとも、飲食業に携わりたい気持ちが強くありました。

”KEYSTONE”のスタッフとして働くことを決意したのはその時です。スタッフ就任から数年後、前オーナーから私がKEYSTONEを譲り受けて、今の状態になりました。オーナー就任当初は不安な気持ちが強かったですが現在では楽しく働けています。

――コーヒー店の後、どうしてバーテンダーに興味を持ったのですか？

山縣さん：当時、私はお酒に関心を持っていませんでした。ある日、友人に誘われはじめて行ったBARでお酒を口に含んだ瞬間、身体中に衝撃が走る美味しさで驚き感動すら覚えました。それがバーテンダーという仕事やBARの経営に興味を持ったきっかけです。

――その後、山縣さんは居酒屋とBARで提供するお酒がなぜ違うのか気になり、分析をはじめました。それだけでは物足りず、BARの歴史やカクテルの種類についても学んでいった結果、BARの経営にまで興味を持ったのだそうです。

BAR経営の要は接客

――BARの経営で大事にしていることはありますか？

山縣さん：接客には特に力を入れています。お客様の出身地に関する話を盛り込み、会話が盛り上がる工夫をしています。お客様が京都出身の場合は、京都で有名なBARや特産品を調べて、お客様が関心を持つ会話を心がけています。

単に飲み物を提供するだけではなく、コンシェルジュのような役割も担いたいと考えています。

バーカウンターでは体を斜めに向けて立ち、店内のお客様を全て見渡す工夫もしています。満席時は全てのお客様を見るのが大変ですが、最高のサービスを提供する想いは変わりません。入店したお客様を見逃さない自信もあります（笑）！

周南市を何とかしたい気持ちが強い

――なぜ、周南市でBARを経営し続けているのでしょうか？

山縣さん：周南市は他地域（広島県や福岡県）と比べるとBARの文化がほとんどありません。「なぜ、周南市にはBAR文化が少ないんだ！」という悔しい気持ちもあります。

多くの方々に周南市のBAR文化を広めていくためにも、悔しい気持ちをバネにして周南市でのBARの経営を続けています。

お店を続けている中で、地元の店舗関係者様や県外から足を運んでくださるお客様との繋がりができて、地元から離れたくない気持ちが増したのも周南市でBAR経営を続ける理由です。

なかには、BARに関するお土産話や、グルメに関する情報共有をしてくださるお客様もいます。お客様から私が知らない話を聞けた時は、バーテンダーになって良かった、お店を続けていてよかったと感じます。

――今後の事業展開は、どのように考えていますか？

山縣さん：将来的にはゼロスタートの店舗を持ちたいです。コンペや大会に出て周南市のBAR文化を広めたり自身のスキルを高めたりして、自分のこだわりを全面に出した店舗を持とうと思います。自身の志とBAR文化を大事にしながら、今後も周南市でBAR経営を続けるつもりです！