[鹿児島]移住は肩肘張らず、焼酎1本抱えて―「きりん商店」杉川明寛さん(後編)

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2回に分けてお届けしている『きりん商店』の杉川明寛さんへのインタビュー。前編では福岡から霧島市への移住を決めたいきさつについておうかがいしました。後編では、移住後の実際の暮らしや今後の展望についてお話していただきました。

プロフィール
杉川明寛
鹿児島県出水市出身。
福岡市でグラフィックデザイナーとして活躍しながら、子育てをきっかけに霧島市へのUターン移住を決意。
2014年霧島の特産品や雑貨が数多く並ぶ「きりん商店」をオープン。

移住者だからと肩肘張らずフラットに

――移住後、周りの住民の方々はどのような反応でしたか。

最初のころは少し警戒されていたかもしれません。当時、僕は失業給付金をもらって家にずっといたので、「仕事もせずに何をしているんだろう?」と思われていたんじゃないかなと思います(笑)。

もともと移住する前から、妻はお店をやりたいと考えていました。そのため移住後は、妻がお店を経営し、僕はグラフィックデザインの仕事をしていくつもりでした。実際、はじめの1年ほどはそのスタイルでやっていましたが、少しずつ妻の負担が大きくなってしまって。それで僕はデザインの仕事を畳み、二人でお店を経営することになりました。

――移住後はどのように地域の方と交流していったのでしょうか。

心がけていたのは挨拶ですね。狭い街なので、運転中に近所の路地ですれ違う車は顔見知りの確率が高いんです。だから譲り合ってすれ違うときには大げさなくらい頭を下げて挨拶するようにしていました。

移住者だからと肩肘張らず、のんびりと関係を構築していこうと。あとはもう、鹿児島なので誰かと会うときには焼酎1本もっていけばOKという感じでしたね。

霧島市はいろんな暮らし方が叶う場所

――今後、霧島市でどのように暮らしていきたいと考えていますか。

このまま霧島市に住み続けていきたいと考えています。

暮らしというか、仕事の話になるんですが、子どもたちが就職などで県外に出たとき、いつでも帰って来れる場所を作ってあげたいという気持ちがあります。子どもが『帰って来たい』と思える環境とは何だろうと考えた結果、「いい思い出をたくさん作る」ことが大切なのではと。ふるさとにいい思い出があれば、巣立った後でもきっと帰りたくなりますよね。

ここに住み、店舗を続けることは、霧島市の可能性を残すことでもあると思っています。

たとえばこのお店がなくなってしまったら、『やっぱり霧島に移住して生活するは難しいのかな』と思われてしまいかねないなと思っています。そのために、お店をずっと続けられたらいいなと思っています。

自営業でお店をしていると大変なことやうまくいかないこともいっぱいあります。けれど、霧島でお店をやっている今がすごく楽しくて。毎年お正月に帰省したら寄ってくれるお客さま、転勤して顔を見なくなったと思っていたら、また霧島に戻ってきて顔を出してくれるお客さまもいらっしゃいます。そういう、”わざわざこの店を選んで来てくださること”が本当にうれしいんです。

――最後に、霧島市への移住を考えている方にメッセージをお願いします。

霧島市はすばらしい地域だと、移住をして知りました。現在では、移住に対する行政の強力なバックアップもありますし、移住者と地元の人を巻き込んで行うイベントに市の職員の方がお手伝いに来てくださることも多々あります。移住者だからとか、地元だからとか、そういった隔たりがないところが好きですね。

また、霧島市はいろんな暮らし方が叶う場所だと感じています。僕らみたいにお店をしたり、自給自足で暮らしたり。これから始めてみたいこと、やってみたいことがある方にも向いている地域なのではないでしょうか。

空港が近く高速道路のアクセスもいいので、ビジネスの拠点にもできると思います。霧島、本当にいいところですよ。

お話をうかがって

子育てしやすい環境を求めて、霧島市へ移住した杉川さんご一家。娘さんは引っ越し後あっという間に環境に慣れて、一週間後には裸足で外を駆け回っていたそうです。

お店は平日にもかかわらず、県内外や地元のお客さんで大賑わいでした。明寛さんは近隣のオススメのお店を紹介したり、お茶をふるまったりと、お客さんとのコミュニケーションを楽しんでいる様子。移住者だからと壁を作るのではなく、自然体で地域に溶け込むのが杉川さん流なのかもしれませんね。

きりん商店
住所:鹿児島県霧島市牧園町宿窪田1424-2
電話:0995-76-1355
営業時間:10時〜17時
定休日:火曜日(水・木は不定休)

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投稿者プロフィール

みすみぞの いずみライター
宮崎県在住フリーライター。妊娠出産後、女性として生きていくことや働くことの大変さを知り、悩んでいる方々の力になりたいと感じています。霧島山の麓という恵まれた環境にある地元のすばらしさをもっと知り、発信できるようになりたい。

・ホームページ作成……お客様のご予算とご要望に応えます

・SNS運用……facebookやTwitter等

・ブログの作成・運用……代筆いたします

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