ホームページ作るべき?SNS始めるべき?地方中小企業のデジタルマーケ、はじめの一歩を調査してみた

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デジタルマーケティングの重要性は、コロナ禍の生活様式の変容を受けてさらに高まっています。これまで実店舗接客や対面型の商談で顧客を獲得してきた中小企業の担当者は、いよいよ「自社サイトやSNS運用の課題に向き合わなければ」と感じているかもしれません。本記事では、今からデジタルマーケティングを始めようとしている中小企業の方に向け、実例をもとに注意点や効果的なツールの活用法を解説します。

「とりあえずホームページ作ろう」は予算の無駄遣い!外注する前に知っておきたいこと

インターネット上で何らかの情報発信を始めなければ、と感じた企業の多くが思い浮かぶのが、自社サイトの作成、または改善です。自社の事業内容やリリースを適切に伝え、問い合わせ窓口をオンラインに構えることは、確かにデジタルマーケティングの第一歩と言えるでしょう。

ただし、ホームページは作っただけで効果を発揮するツールではありません。先ほど挙げたようなプレスリリースやインフォメーションといった情報を更新することで、初めてホームページとしての価値を発揮します。

また、ホームページは検索エンジンやSNSといった流入経路がなければ、誰の目にも留まりません。ホームページを家と例えるならば、家に導くための道標や道路が必要だとわかるはずです。

初めてホームページ制作・運用に挑戦する中小企業は、こうした更新や流入経路といった施策なく、漠然とホームページを作ってしまうケースが多いです。ホームページ制作は、外注するとある程度の予算を要します。せっかくホームページを作るならば、費用対効果を検討してから作ることをおすすめします。

これはSNSでも同様です。昨今は中小企業を対象としたSNSマーケティングセミナーやコンサル業が増えていますが、SNS運用に取り組む意義を企業側が理解していなければ、それらから提供されるスキルやノウハウを活用することはできません。

なんのためにホームページを作り、どんな効果を狙ってSNSを運用するのか。その答えがないうちは、焦ってアカウントやページを作ってしまわないよう注意してください。

事例別・地方の中小企業が取り組むデジタルマーケティングのリアル

では、中小企業の最適な規模のデジタルマーケティングには、具体的にどのようなケースがあるのでしょうか。地方で経営する中小企業を例に、最小限の施策で効果を発揮する方法を紹介します。

A社(カフェ経営)の場合ーInstagramで常連に向けた情報発信

主要駅から徒歩15分以上の住宅街にてカフェを営むA社は、外注せず、経営者とバイト店員が共同でInstagramを運用しています。Instagramとは写真投稿を主軸とするSNSで、20~30代女性がメインユーザーです。

A社は、季節限定メニューや開店前の店内の写真を1日1~2回投稿しています。すでにカフェを知っている人に「カフェの存在を忘れないでいてもらう」ことが投稿の目的です。

コロナ禍で頻繁に変わる休業情報やテイクアウト対応の情報更新も、ホームページと比べてリアルタイムで発信しやすいのがSNSの魅力です。お客様の混乱を防ぐ意味でも、情報を一つのSNSアカウントから発信することに利点があります。

更新頻度も最低限にとどめ、コストゼロのSNS運用を継続。フォロワー数は500人程度と少なめですが、カフェを気に入ったお客様からの反応は良好だそうです。

B社(食器販売)の場合ーBASEとTwitterでオンライン完結の商品販売

食器や雑貨販売を営むB社は、地方に倉庫とオフィスを構えることでランニングコストを抑え、オンラインショップで全国に商品を販売しています。

オンラインショップは、無料(※オプションプランは有料)でオンラインショップを開店できるプラットフォーム、BASEを利用。商品PRにはTwitterを利用しています。

BASEを開店した当時は流入経路を考えられておらず、売上が伸びないことを悩んでいたB社ですが、あるインフルエンサーがTwitterで自社商品を紹介してくれたことがきっかけで、品切れになるほどの売り上げが上がったそうです。

この経験がきっかけとなり、B社は商品の魅力を他ユーザーが広めてくれやすいTwitterに狙いを定め、商品写真と購入URLを挿入したツイートを定期的に更新し続けています。

C社は自社商品PRの他、相性の良さそうなユーザーをフォローし、市場調査の意味も兼ねてタイムラインを見るようにしているのだそうです。

潜在顧客がどんな生活をしているのか、どんな課題を抱えているのかを見ることで、扱う商品のラインナップにも反映し、売上の向上を狙っています。

C社(外壁塗装企業)の場合ーホームページリニューアルとブログ運営開始

家の外壁塗装を担うC社は、5年前に作ったホームページを放置したままの状態が続いていました。

コロナ禍で広告施策の見直しを始め、ホームページのアクセスを見てみると、「地域名+塗装+安い」などの検索ワードから自社サイトに一定の流入数があることがわかりました。

ブログ運営の素地がある社員がいたことから、この気づきをヒントにSEOを意識したブログを書き始めることに

塗装に興味を持つ……つまり長年戸建てに住む50代以降のユーザーを意識したテーマや文体を心がけ、月1〜2回のブログ更新を続けています。

またホームページも、狭い地域に特化した塗装業社とわかるよう、写真や掲載内容を刷新。ホームページ改善とブログ運営によって、問い合わせ数が前年比1.5倍に増加したそうです。

戦略のポイントは「誰に何を届けたいか」

3つの具体的な事例を読んでもらいましたが、デジタルマーケティングの戦略のポイントは「誰に何を届けたいか」を明確にすることです。

ターゲット:具体的なペルソナを描こう

まず、誰に情報を届けたいのか考えてみましょう。

地域の常連さんに情報を届けたいならば、「○○さんが読んで喜ぶもの」というように、名指しで想像するくらいの具体性があったほうが情報の精度が上がります。

あるいは全国のお客様に向けて情報を届けたいならば、年齢層や性別、趣味やライフスタイルといったプロフィールを架空で書いて、自分たちの発信を求める人がどんな人なのかを想像してみましょう。

適切な情報選びは、こうしたペルソナ設計から導き出されます。

方法:目的にあったものを選ぼう

次に、どのツールを使うか考えましょう。

ホームページだけでなく、SNSやライブプラットフォームなど、現在はさまざまな情報発信の方法があります。自社商品や自社サービスを最も伝えやすいのはどんな方法かをイメージすると、手段を絞れるはずです。

もしも動画で伝えなければ伝わらないものならば、YouTubeのアカウントを作ると良いかもしれません。写真ならばInstagram、テキストならばブログやTwitterというように、表現手法によって利用するSNSを選ぶことをおすすめします。

ここで意識したいのは、情報発信する人の魅力もコンテンツの一つだということです。店長や社長、あるいはマーケティング担当者といった発信の担い手が、人間性を全面に出しながら商品PRに励む姿も、ファンを増やす一つの要素となります。

予算は持続性が高くリターンが大きいところにかける

専門知識のない領域に挑戦するとき、経営者はつい外注したくなるものです。デジタルマーケティングについても、とにかくわかりそうな人に予算を使って任せよう、と判断するケースが少なくありません。

しかし、ホームページ制作もSNS運用も実はさほど専門性を要さず、自社でコストゼロの運用を実現することも可能です。もちろん多少の勉強は必要ですが、予算を節約するなら、まず一度自力でできるかどうかチャレンジしてみることをおすすめします。

昨今はテンプレートに従うだけで洗練されたホームページを作れる無料サービスが充実していますし、スマートフォンに向かって喋る姿をそのまま配信できるプラットフォームも多数誕生しています。完璧なコンテンツを目指さず、自社ができることから始めれば、無料でもそれなりの効果は出てくるでしょう。

ただ、SNS運用もホームページ更新も、持続性が重要である点は共通しています。やってみて苦手意識を感じるようであれば、プロの手に委ねるほうが賢明です。

プロに任せると、企画からコンテンツ制作、運用まで一貫した施策を依頼できます。適切なツールの選び方やコンテンツの作り方も熟知しているため、プロに任せた方が、より高い効果を得ることができるでしょう。

ただし、発注側が何のイメージや知識も持たない状態でプロにお願いしてしまうと、適正額以上の予算を取られてしまったり、施策の効果が正しく出ているかわからなかったりと、根本的な課題解決につながらない可能性が高いです。やはり一度は「何を頼もうとしているのか」理解してから、より大きなリターンや持続性を求めて外注するほうが、明確な改善効果を期待できるでしょう。

インターネットで何をしたいのか考えてからはじめの一歩を踏み出そう

スマートフォンが普及したこと、コロナ禍でオンライン化が加速したことなど、デジタルマーケティングに取り組む必然性は確かに高まっています。一方で、とりあえずホームページやSNSを作れば顧客が獲得できる、というほどシンプルなものでもありません。

自社で本当にデジタルマーケティングに取り組む必要性があるのか。そして、必要性があるならば、どんな手段が適切なのか。一つずつこれらの疑問を明らかにし、用途にあった施策を打つよう心がけましょう。

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