中小企業のものづくり補助金2019年度はどうなる?

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ふぉろかるものづくり補助金2019
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資金の少ない中小企業にとって、補助金は重要な資金調達手段の一つとなります。補助金を申請するためにはその内容を十分に理解する必要がありますが、国や自治体からは積極的に情報提供がされているわけではありません。そのため、制度や申請方法が分かりにくいと補助金を敬遠している企業もあるのではないでしょうか。

ここでは、中小企業や小規模事業者が、生産性向上を目的とした設備投資をする際に支援を受けられる「ものづくり補助金」について解説します。

ものづくり補助金とは

中小企業庁が実施している、中小企業や小規模事業の設備投資の一部を支援する補助金制度が、ものづくり補助金です。名称や内容を少しずつ変えながら毎年実施されており、返還の必要はありません。

補助対象は設備投資と決められているため、人件費などに使用することはできません。機械装置費や技術導入費などについて、かかる費用の2分の1または3分の2が補助されます。ただし、上限額(500万円~2,000万円、補助対象事業により異なる)が決まっており、その額を超えた分は支払われません。

2019年(平成31年/令和元年)実施のものづくり補助金は、平成30年度補正予算より「一般型」「小規模型」の2事業、平成31年度当初予算より「企業間データ活用型」「地域経済牽引(けんいん)型」の2事業、合わせて4事業が対象となります。

「一般型」「小規模型」の一次公募は2019年5月8日に締め切られましたが、夏以降に再度公募が行われるようです。

「企業間データ活用型」「地域経済牽引型」は、2019年4月23日から6月24日まで受け付けています。

ものづくり補助金の対象となる事業

ふぉろかる ものづくり補助金
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ものづくり補助金は、設備投資をしたい中小企業であれば誰もが申請できるわけではありません。あくまで、「生産性や地域経済への波及効果拡大に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善を行うため」の設備投資が要件となります。

具体的には、3年~5年で年率3%の付加価値と年率1%の経常利益の向上が見込める事業計画が必要です。このことを原則としつつ、4事業それぞれに対象要件が定められています。

●一般型

ものづくり補助金の原則である、革新的サービスの開発や試作品開発、生産プロセス改善に必要な設備投資を対象とします。

●小規模型

一般型に比べて開発費用が少額な革新的サービスなどを対象とします。設備投資を伴わない試作品開発なども対象となり、原材料費や外注加工費、委託費、知的財産権など関連の経費も対象に含まれます。

●企業間データ活用型

中小企業や小規模事業所などが連携して、事業間でデータや情報を共有し、全体として新たな付加価値の創造や生産性の向上をはかるプロジェクトが対象です。企業間の連携が必須のため、一社だけで申請することはできません。

●地域経済連携型

複数の中小企業者などが連携し、地域の特性を生かし高い付加価値を生み出して、地域経済への波及効果をもたらすプロジェクトが対象です。こちらも一社での申請は不可となります。

ものづくり補助金を受け取る方法

補助金は、要件を満たし、かつ審査を受けて採択された企業のみが受け取れます。2018年度では一次公募と二次公募が行われ、申請数23,630件から11,989件が採択されました。採択率は約50%です。

2018年12月28日に事前予告された公募要領によると、2018年度の補正予算からは約1万件の補助が予定されています。2019年の当初予算分と合わせると、2018年度以上の採択数が期待できるでしょう。

選定基準は4項目からなり、事業実施スケジュールの妥当性や事業に関わる事務所や人員の確保などが評価されます。また、これまでに似たような事業実績があるかどうか、専門知識やノウハウを持っているかも問われます。

採択されるには、ものづくり補助金の原則である、設備投資がいかにビジネス拡大につながるかをアピールする必要があります。また、国が支援する必要性がわかるように、客観性と具体性を盛り込んだ事業計画を申請書には盛り込みましょう。

設備投資を考えている中小企業は選択肢の一つに

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補助金は、返還義務なしでまとまった資金を得られる、企業にとっては有用な制度です。新しいサービスや商品開発のために設備投資を考えている中小企業は、ものづくり補助金が資金調達手段になるかどうか検討してみてはいかがでしょうか。

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投稿者プロフィール

こなみじゅんライター
北海道在住ライター。いくつになっても3歳児の好奇心を手放せません。伝えたいことを伝えたい相手に届けるお手伝いをします。

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