今、地方は大きな問題を抱えています。少子高齢化、人口減少、それにともなう地域経済の縮小。これらの課題を解決すべく、移住者を積極的に支援する自治体が増えています。
なかでも鹿児島県霧島市は、移住者数で九州トップに輝いたこともある地方移住の先進地域です。その理由として、霧島市の持つ豊かな自然などの魅力はもちろん、市が積極的に取り組むさまざまな移住対策が挙げられます。
「移住者数九州1位」「住みたい温泉地全国1位」霧島市の魅力とは?
霧島市は2010年度から5年間の移住者数で九州トップに輝き(2015年西日本新聞調べ)、2013年には田舎暮らしをテーマにした月刊誌において「住みたい温泉地全国1位」を獲得しました。
実際に霧島市への年間移住者数は2015〜2017年の3年連続で増加。2017年の移住者数は、2014年の約2.5倍を記録しました。
海山に囲まれたあふれる自然や、黒豚に黒毛和牛、黒酢などの豊かな食文化、温泉の豊富さなど、霧島市にはゆったりとした暮らしを実現するための要素がもりだくさん。
また、空港からの市内へのアクセスのよさに加え、工場誘致も多く産業に恵まれている点も、暮らしていく上での安心材料となっています。
参加者の5人に1人が実際に移住!「移住体験ツアー」が人気
霧島市への移住の人気を支えているのが、市が開催する2泊3日の移住体験ツアーです。
移住者宅訪問や空き家物件の見学、農業体験、温泉地に歴史名所といった観光スポットを巡るなど、充実の内容となっています。
「移住後の実際の生活がイメージできる」と移住希望者に評判で、これまでに多くの方が体験ツアーに参加しています。
2017年度までに68組・112名が参加したうち、12組・23名、ツアー参加者の約5人に1人が霧島市への移住を決断しています。
霧島市が全力で移住を応援するさまざまな取り組み
霧島市は移住体験ツアーを軸としながら、移住を後押しするさまざまな対策に取り組んでいます。
丁寧なサポート体制
体験ツアー終了後も継続的な移住に関する相談を受け付け、丁寧なサポート体制を敷いています。あわせて市の魅力を伝え、移住の促進に努めています。
充実した補助金制度
2008年から市内の中山間地域に新築・増改築した場合などに適用される補助金制度を開始しました。
さらに2016年からは賃貸住宅への転入でも家賃の一部を1年間補助する取り組みを開始。加えて、市街地へ移住し増改築や中古住宅購入の場合にも適用できるよう制度が拡充されました。
わかりやすい情報発信
霧島市では移住にまつわるポータルサイト『おじゃんせ霧島市』を開設し、移住者の実際の声や補助金制度についてわかりやすくまとめています。また、若者向けに移住応援ガイドブック『スントコ』を発行し、市の魅力や移住に関する情報を発信しています。
「移住者を増やしたい」「関係人口を増やしたい」地方自治体は数多くありますが、思ったような成果を得られない例も少なくありません。霧島市の取り組みは、移住・定住施策の好例といえるでしょう。
投稿者プロフィール
- 宮崎県在住フリーライター。妊娠出産後、女性として生きていくことや働くことの大変さを知り、悩んでいる方々の力になりたいと感じています。霧島山の麓という恵まれた環境にある地元のすばらしさをもっと知り、発信できるようになりたい。
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