2025年の万博開催に向けて盛り上がりを見せる大阪。新たな鉄道路線の開通やタワーマンションの建設が相次ぐ中心地のほど近くに、今回紹介する「和style 煎」はあります。
なぜ長屋でお茶と和雑貨を取り扱うお店を開いたのか、店主の吉海(よしかい)さんにお話をうかがいました。
※現在は閉店しております
きっかけはお得意様のひと声
オープンは2018年の10月です。私はここをオープンする前から、デザインの仕事をしていました。
当時お得意様の中に健康食品の販売をされている方がいまして、その方の会社の物置を借りてホームページやチラシの制作、イベント運営などのお仕事をいただいていた時期に「アンテナショップを作りたい」というお話を持ちかけられたのが、和style 煎のきっかけです。
店の入口に置いてあるイベントのチラシやお茶はそのときからのものなので、たくさん並んでいる和雑貨の方が実は後発なんですよ。
悩みを強みに変えた発想の転換
この長屋以外にもまわりに古い町並みが残っているエリアでもありますし、まずはお茶を置き、それだけじゃ寂しいということで、若いお客さん、女性のお客さんをターゲットに可愛らしいテイストのお箸や湯のみ、皿などの和食器を置きました。
当初は店舗の真ん中に立っている三本の柱が悩みのタネでしたが、発想を転換して柱を活かす形でテーブルを作って商品をディスプレイしてみると、これが意外といい感じにおさまってくれて。
現在は茶釜や腰を下ろせるスペースも設置して、お茶の先生をお招きしてワークショップも開催しています。
それぞれが求めるメイド・イン・ジャパン
InstagramなどのSNSを使って商品やお店のことを都度発信しているんですが、最近はそちらを見て足を運ばれるお客様が増えてきました。
またこの長屋に民泊施設が入っていることもあって、海外の旅行者の方もよくお店を覗いていかれます。海外の方に人気があるのは「箸」ですね。ほとんどの方が日本製かどうか、尋ねてこられます。
週末にはカップルのお客様、小さなお子様を連れたご家族様もいらっしゃったり、中には陶磁器にとても精通されたお客様もいらっしゃったりします。そういう方のために九谷焼や丹波焼も置いているんですが、ただ土から造った焼物は電子レンジで使うと割れてしまうので、その点はきちんとアナウンスさせてもらっていますね。
よりたくさんの「和」を発信できる空間に
この長屋自体ができて一年足らずということもあり、まだまだこれから浸透していくのかなと思います。
テナントに入っている店主の方々と協力してイベントも開催しているので、大都会の真ん中にこんな場所がある、ということをまずは知ってもらいたいですね。ここのお店もお茶と和食器だけに執着しているわけではなく、たとえば番傘を置いてみようかなとか、風鈴や扇子・団扇を置いてみようかなということも考えています。
作家さんの商品も少し置いていますが、期間限定でより多くの作家さんに作品を置いてもらうのも面白いかもしれませんね。
思わず「ただいま」と言いたくなるような佇まい
編集後記
大阪の中心という立地上、お茶や和雑貨の購入にさほど苦労はいりません。ただ、そこにもうひとつ価値を付け足すとすれば今回ご紹介した「和style 煎」はいかがでしょう。大型の商業ビルや高層展望ビルが林立する土地で、喧騒から離れられる空間はどこにでもあるものではありません。
現在も続けてらっしゃるデザインの仕事以外にも写真やロードバイク、居合斬りなど実に多彩な趣味をお持ちの吉海さん。お茶や和雑貨と一緒に、楽しいおしゃべりに花が咲くかもしれません。ただしお店が不定休のため、特に遠方からお越しになる際はあらかじめ電話でご確認を。
住所:大阪府大阪市北区中津1-15-37 キタの北ナガヤ103号室
お問い合わせ先:06-6485-8298
メールアドレス:yoshikai@mac.com
定休日:不定休
営業時間:11:00頃〜(例外あり)
Instagram:https://www.instagram.com/wastyle_sen_/?utm_source=ig_profile_share&igshid=yi4r28ag5mza
投稿者プロフィール
- 生粋のナニワっ子ライター。大阪での暮らしが長すぎて、地方に移住したい欲と地元の魅力に後ろ髪惹かれる気持ちの狭間で葛藤中。人の話をぼんやり聞くのが何より好き。ぼんやり聞くけど書くときはちゃんと書きますよ。
・ホームページ作成……お客様のご予算とご要望に応えます
・SNS運用……facebookやTwitter等
・ブログの作成・運用……代筆いたします