北海道北見市相内町、緑あふれるまちの片隅にて天然酵母・石窯焼きのパンを販売しているパン屋「Mof-mof(モフモフ)」さん。本格的なハードパンから、小さな子どもでも安心して食べられる菓子パンまで焼き上げる、魔法のような手を持つオーナーさんに、起業にまつわるお話をうかがいました。
その時に必要なものを集めて、現在のスタイルに。
ーーまず、Mof-mof さんがパン作りを始めたきっかけについて教えてください。
賃貸から戸建てに引っ越した時、それまで小さな電子レンジしか持っていなかったので、”オーブンがほしい!”といって、オーブンを購入したんです。
それから、クッキーやケーキを自分で作るようになって、その流れでパンも作ってみよう!って。はじめからパン屋をする予定で始めたわけではないんです。
パン作りの楽しさに目覚めてからは、さまざまなパンのつくり方をネットで調べて、実際にやってみて……というのを繰り返していました。
そんなある日、『干しブドウから自分で酵母を作れる』という情報を目にして。面白そう!と思ってすぐにはじめてみました。
天然酵母も、干しブドウだけではなくて果物や野菜から起こせてしまうんですよ。それを知ってからはもう、冷蔵庫の中が酵母の瓶で埋め尽くされるほど酵母づくり・パン作りにはまりました(笑)
思い通りのパンを焼くために。一から作り上げた石窯
ーー家庭用の電子オーブンをやめて、石窯でパンを焼くようになったのは、なにか理由があったのですか?
端的に言えば、家庭用のオーブンでは物足りなくなってしまったんです。酵母も起こして、自分でいちからパンを作るようになって、「さて焼くか」となったときに、家庭用の電子オーブンでは焼く際の温度に上限があって。
思い通りのパンを焼くために、ガスオーブンと石窯が選択肢に上がってきました。ところが、わが家はオール電化でガスがなかったんですね。
オーブンのためにガスをひいたり、ガスオーブンを置くスペースを作ったりするのは大変だということで、最終的に石窯になったわけです。
ーー石窯もご自分で作られたのですか?
そうです。もともとの家業は建築関連なので、石窯を作る道具やノウハウもありましたし。
「じゃあ暇な時に作ってみよう」となって、図面を書いてレンガを積んで、扉は夫に溶接してもらって……という感じで石窯も自分たちで作りしました。
この石窯ではじめて焼いたパンがオーソドックスなあんパンだったんですけど。焼きあがって石窯から取り出したあんパンは、家庭用のオーブンでは出せなかったツヤとてりがあって。
この最初のあんパンが焼きあがったときは、本当に感動しました。ここからまたパン作りにのめり込んで。石窯があればたくさん焼けるし、「このパンは自分たちだけで食べているのはもったいない!」と思い、そこではじめて開店を決意しました。
こだわりと手づくりが詰まった、ぬくもりのベーカリーが誕生。
ーー酵母もパンも、すべて独学で……ということですよね。なかなかできることではないと思うのですが、お店を開くにあたり不安はありませんでしたか?
店舗は自宅の敷地内で土地代もかからないし、建物も(建築業の)お客様向けのショールームとしてもともと置いてあったもので、新たに購入したものではありません。 土地も建物も買って、となれば大きな資金が必要になってしまいますけど、幸いにも開店に必要なものがそろっていたんですよ。
トータルで見てもほとんどリスクなく開店できたので、不安感はありませんでした。当時は『やってだめならやめてもいいんだし』と、比較的軽い気持ちで開業しています(笑)
ーー2019年で開店5周年のモフモフさん、今ではすっかり人気店ですよね。あらためてパン作りへのこだわりを教えてください。
基本的に粉は道内産で、三温糖、ゲランドの塩、それに卵は西山さんの平飼い有精卵を使っています。自分で食べたいと思うものを提供したいという気持ちが根幹にあって。
季節限定商品も、なるべく地元の物を使って作るようにしています。1種類のパンを一日に何十個も売るスタイルではないから、自分がおいしいと思うものを少量仕入れて作ります。
近所の農家さんが、「パンの材料に」といって、いろいろ持ってきてくださるんですけど、そういうのもありがたく使わせていただいています。
ーーところで、店舗の看板やパンを入れる紙袋には、かわいらしい猫のイラストがありますよね。
実はこのロゴも私が書いたんです。わが家の猫がモチーフで、紙袋のイラストは夫の手づくりのゴム印を開店当初から今でも、一つずつ袋に押しています。
ーーMof-mofさんはSNSでの情報発信もこまめにされている印象があります。その際に何か気を付けていることはありますか?
とにかく「伝わりやすく」ですね。おしゃれすぎる商品名にしないとか、だれでも分かりやすいような工夫はしています。これはネット上だけではなくて、店舗のほうでも同じです。
例えば、表の看板。最初は英語で『Open』とだけ表記していたのですが、これでは分かりづらいかもしれないということで、日本語で「営業中」「準備中」とパッと見てすぐわかるプレートを付けました。
だれにでも親しみを持ってもらえるお店として、できるだけ長く続けていければと思っています。
編集後記
北見でとっても人気のMof-mofさん。筆者も何度となく店舗へ足を運んでいます。ていねいに作られたパンたちは、天然酵母のやさしさに石窯で焼いた香ばしさがあいまって、ここでしか味わえない唯一無二の味を醸しています。そのパンを一口味わえば、北見市街からは少し離れた場所にあるこのパン屋に、わざわざでも通う人が多くいる理由が分かります。
Mof-mof さんは、北見市内への配達や通信販売も行っています。市内には Mof-mof のパンが買えるお店もありますので、ホームページやSNSをぜひチェックしてみてください。
(写真:横にスライドしてください)
住所:北海道北見市相内町316-11
お問い合わせ:050-3701-3232
営業日:火・木・土曜日
営業時間:AM11:00〜PM5:00
(1〜3月はPM4:00閉店)
公式ページ:http://www.mof-mof-bread.com/
投稿者プロフィール
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