横浜市の貸切り美容室「hair room LUCCA」が「一対一」のコミュニケーションにこだわる理由

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オーナーの塩谷さん

横浜市西区浅間町のhair room LUCCA(ヘアルームルッカ)は、赤ちゃん連れOKの貸切り美容室です。大きなガラス窓から差し込む明るい光、モノトーンを基調としたインテリア、そしてたくさんのグリーンと手作りのデコレーション。

店内に足を踏み入れると、まるで仲の良い友人宅に遊びに来たような気分になります。

お店を切り盛りする塩谷友理さんは、ヘアスタイルの提案からカットやカラー、仕上げなど全ての工程を一人で担当しています。「ここを『もう一つの我が家』と思ってもらいたい」と話す塩谷さんに、お店づくりのこだわりについてお話を伺いました。

目次
  1. お客様一人ひとりとの時間を大切にしたいから「貸切り美容室」というスタイルに
    1. ――広々とした空間を独り占めできる「貸切り美容室」はとても贅沢ですよね。どうしてこのコンセプトに決められたのですか?
  2. 赤ちゃんから大人までどんな世代の方もストレスなくリラックスしてもらいたい
    1. ――「赤ちゃん連れOK」というのも、そういったご自身のご経験から思いついたコンセプトですか?私は、出産後初めて美容室に行ったとき、「泣き止まない」と自宅にいた夫が美容室まで赤ちゃんを連れてきたことがありました!そのときに塩谷さんに出会っていれば良かった(笑)。
  3. 「チャンスの神は前髪しかない!?」開業秘話
    1. ――初めての育児がスタートしたと同時に開業されたのですね!ものすごく大変そうな気がしますが、なぜそのタイミングでお店をオープンされたのですか?
  4. お客様の期待に応えたい!でも無理はできない…仕事と家事・育児のバランスに悩みました
    1. ――開業されてからこれまでで、とくに大変だったり悩んだりしたことはありましたか?
  5. 一対一のトークで、お客様と継続的なコミュニケーションを
    1. ――集客面ではやはり苦労されてきたのですね。チラシ以外にどういった方法で宣伝されたのでしょう?
  6. 自分の店づくりに共感してくれるお客様がいるというのが励み
    1. ――今後の抱負などあればぜひお聞かせください。
  7. おわりに

お客様一人ひとりとの時間を大切にしたいから「貸切り美容室」というスタイルに

明るい店内

――広々とした空間を独り占めできる「貸切り美容室」はとても贅沢ですよね。どうしてこのコンセプトに決められたのですか?

お客様同士がめったに顔を合わせないので、よく「お店大丈夫?」と心配されることがあります(苦笑)。

貸切りスタイルは一般的に収益性が良くないので、あえてチャレンジする人はあまりいません。

しかし、私は自分の店をやるならお客様が重ならない貸切りスタイルにしようと以前から決めていました。自分がお客様の立場なら、美容室で他人に話を聞かれたくないし、リラックスできないと思っていたからです。美容室はヘアスタイルを整える場所ですが、見た目だけでなく心もリフレッシュしていただきたいので。

一人で全ての仕事をおこなうことで、技術、サービスの一貫性を持たせています。一人ひとりのお客様との関係性も深まり、お客様の方から「おしゃべりしに来たよ」とまで言ってもらえるほどになりました(笑)。お客様と常に話しているので、うちの店内には雑誌がないんですよ。

赤ちゃんから大人までどんな世代の方もストレスなくリラックスしてもらいたい

ベビーベッド

(店内にベビーベッドやおもちゃが置いてありました。)

――「赤ちゃん連れOK」というのも、そういったご自身のご経験から思いついたコンセプトですか?私は、出産後初めて美容室に行ったとき、「泣き止まない」と自宅にいた夫が美容室まで赤ちゃんを連れてきたことがありました!そのときに塩谷さんに出会っていれば良かった(笑)。

赤ちゃんとのお出かけはとにかく大変ですよね。しかし誰かに預けて一人で出てくるのも大変です。貸切りなら他人の目を気にせず授乳したりオムツ替えしたりできるので、ママが赤ちゃんと来られてもパパと一緒でも、多少はリラックスできるかなと思います。

私自身、お店をオープンする直前に出産を経験して、初めての育児に奮闘しながら開店準備を進めました。なかなか休めないママたちが少しでもリラックスできるお店にしたいと思い、内装もママ目線で工夫しました。

絵本やおもちゃ

(絵本や小さなおもちゃもたくさん)

店内には、ベビーベッドや子どものおもちゃなどを用意しています。エントランスもスロープ付きでバリアフリーです。店内も壁など取り払い空間を広く使っているので、ベビーカーごと入店していただけます。

赤ちゃん連れの方の予約は少し長めに時間を取るように配慮したり、キッズカットもやったり、自分が「こういうサービスがあったらいいな」と思うことを実践しています。

「チャンスの神は前髪しかない!?」開業秘話

DIYの壁

(フラワーアレンジメントは塩谷さんのお義母様からのプレゼント。壁は塩谷さんご自身で塗ったのだとか。)

――初めての育児がスタートしたと同時に開業されたのですね!ものすごく大変そうな気がしますが、なぜそのタイミングでお店をオープンされたのですか?

突然いろいろな幸運が重なって、このタイミングで開業することになりました。お店をやると決めてからオープンまでは半年もなかったと思います。とにかく急いで準備しました。

DIYの棚

(お義父様が手作りした棚には、娘さん作の折り紙も。)

当然開業資金もほとんどなく、できるだけ資金をかけずに準備しました。居抜き物件だったので、内装はあまり変えず、使えるものは最大限使わせてもらっています。義父はDIYが得意で、ヘアケア商品を置く棚などを手作りしてもらいました。

義母はフラワーアレンジメントなどのデコレーションを提供してくれました。私も自分で壁を塗りました。周りのサポートがあったからこそ、短い期間でもオープンすることができました。

お客様の期待に応えたい!でも無理はできない…仕事と家事・育児のバランスに悩みました

――開業されてからこれまでで、とくに大変だったり悩んだりしたことはありましたか?

チラシ

(ヘアルームルッカのチラシ)

二人目の子を出産後に1年半近くお店を休んでいた時期がありました。貸切り美容室ですので私が店に出られない場合はお休みするしかないのです。また、二人目を産む前までは土曜も営業していたのですが、出産後は土日とも定休日に変更しました。家事、育児、仕事のバランスを取るために、私自身これまで以上に休んだり家族と過ごす時間を持ったりすることが必要だと感じたからです。

しかし、現実はシビアでした。お客様に再オープンのお知らせをしても、客足がなかなか戻りませんでした。これまで上手くいっていたので、初めて先が見えない不安を感じ、かなり悩みました。

マーケティング

(チラシのポスティングに使った地図が残っていました!)

幸い家族が励ましてくれ、気長に待ってくれたので、時間をかけながらも少しずつ改善することができました。

夫は「期限を決めて、やれることをやってみたら?辞めるならそれからでも良いんじゃない?」と言ってくれて。義父と娘は休みの日にチラシ配りを手伝ってくれました。そのチラシを見てきたというお客様が来店されたときは、地道な努力の成果を実感できましたし、娘が「ほらね~」と自分のことのように喜んでくれたのもうれしく感じました。

再オープンから半年、下の子が2歳になり私も体力が回復してきたので、今まで通り土日は休みつつ、祝日はオープンすることにしました。すると、平日来られないと言っていたお客様も戻ってきてくれ、徐々に予約が埋まるようになりました。

一対一のトークで、お客様と継続的なコミュニケーションを

――集客面ではやはり苦労されてきたのですね。チラシ以外にどういった方法で宣伝されたのでしょう?

私の場合、宣伝して新規のお客様に来ていただくというより、お客様に戻ってきてもらう方に注力しています。当店のスタイリストは私一人しかいないので、一日に担当できるお客様は多くて3~4名です。たくさん宣伝して新規のお客様から一気にお問合せをいただいても、逆にお断りしなければいけなくなってしまいます。

私としては、一度足を運んでくれたお客様が、リピーターになって定期的に通っていただくという状態がベスト。固定客だけで毎月のスケジュールが全て埋まっているというのが理想です。

最近は、お客様との連絡手段としてLINE@を使っています。それまではハガキやメール、電話などを利用していました。しかし従来の方法だとコミュニケーションが一方通行になってしまいます。「LINE@の魅力は一対一のトーク」ということを知り、DMではなくできるだけ個人的な会話でお客様と連絡を取るように心がけています。

忙しくてつい美容室の予約を先延ばしにしてしまうという方も多いので、私の方からこまめに連絡を差し上げ、予約の手間を取り除くことができればと思っています。

自分の店づくりに共感してくれるお客様がいるというのが励み

――今後の抱負などあればぜひお聞かせください。

子どもたちがまだ小さいので、無理はせず、自分のできることをしっかりやっていきたいです。ただ、少しずつでも成長していきたいので、自分自身に余裕が出てきたと感じたときは、営業時間を少し増やしてみたり、新しいことにチャレンジしてみたりしています。

手づくりのチラシ

(特別メニューのチラシは親しみを感じてもらえるよう手書きで作成することも。)

昨年ヘッドスパの講習を受け、スパニストの資格を取得しました。頭皮や首、肩などを30分かけて手でもみほぐします。お客様からも「頭が軽くなった」と好評です。

美容師は、子どもがいても土日も祝日も当たり前のように仕事をしていることも少なくありません。当時は美容師なら仕方がないことなのかと思う反面、その働き方に疑問も感じていました。

思い切って「貸切り美容室」というコンセプトにし、土日を休むことに決めたとき、不安もありました。しかし、私の理想とする店づくりや働き方に共感してくださるお客様はたくさんいることに気が付きました。「(美容室に来るために)有給を取った」と言ってくださる方もいて励みになります。これからも、常に喜んでいただける技術と、心地よい空間を提供し続けたいと思います。

おわりに

いつも笑顔で誰とでもすぐに打ち解けてしまう塩谷さん。実は筆者も塩谷さんの人柄と技術力、そして美容室の居心地の良さに惹かれ、通い続けている客の一人です。今回改めてお話を伺う中で、ヘアルームルッカの居心地の良さは、塩谷さんが信念を持って築き上げてきたものなのだということが分かりました。

hair room LUCCA
住所:横浜市西区浅間町1-9-22
営業時間:10:00〜16:00
定休日:火曜、土曜、日曜

http://www.hair-lucca.com/

https://www.instagram.com/hairroomlucca/

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投稿者プロフィール

安松まゆはライター
横浜在住。子育てと仕事の両立に悩んだ末、フリーランスのライターに転身した二児の母。大変・辛いと思っていた日々の育児・家事は、ライター目線で見るとネタの宝庫!?「子育ても仕事も自分らしくマイペースで」がモットーです。コラム執筆、取材、コピーライティングなどが得意です。

・ホームページ作成……お客様のご予算とご要望に応えます

・SNS運用……facebookやTwitter等

・ブログの作成・運用……代筆いたします

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